コモンセンス・ペアレンティング・トレーナー養成講座
10月・11月に郡山市と会津若松市での「コモンセンス・ペアレンティング・トレーナー養成講座2014」が終了しました。
コモンセンス・ペアレンティング(CSP)とは、子どもの望ましい行動を、暴力以外の方法で効果的なしつけのスキル(技術)の体得を経験的に学習する、親に教育を行うことを目的としたプログラムです。内容としては、行動療法を基礎とするしつけのスキルをトレーナーがDVDやロールプレイを通して教えていきます。視覚から入り、適切な養育のモデルを分かりやすく提示することにより実際の場面での活用に結びつきやすく、ロールプレイを合わせることで練習ができ、活用する機会の幅をさらに広げることができます。
親やそれに値する人が問題だと感じる子どもの問題行動に対して「教える練習させるという事を行い、学習をして行動を変えていく。良い行動に対しては誉めることをまずは行うことを学ぶ。そのようなことを1セッションずつ、段階を踏んで学びの場を進めていくことがトレーナーの役割となります。
CSPでは、暴力に頼ったしつけを肯定はしないが、親が置かれている(追いつめられている)状況への理解を示しながら、暴力以外の方法を用いたしつけのスキルを教えていくことにより、最終的には暴力以外の方法で子どもをしつけられるという自信を持てるよう導けるような関わりをします。
コモンセンス・ペアレンティング(CSP)トレーナー養成講座は昨年の福島市・いわき市に引き続き、郡山市と会津若松市にて開講しました。受講をされた方は県内各地から足を運んでくださり、3日間の講座を真剣に受けられ、晴れてトレーナーとして資格取得をされました。
講師は、郡山会場が福島県県中児童相談所の佐藤早苗先生、会津会場が福島県女性のための相談支援センターの安部郁子先生をそれぞれお招きして開講しました。トレーナー養成講座でトレーナーの育成が出来る方を「トレーナーofトレーナー」と言い、県内ではまだまだ少人数でありながら福島県内でCSPを「知る人」と「届ける人」を増やしたいとご尽力なされておられます。
講座の内容(学ぶべきもの)には変わりはないのですが、先生によっても受講をされるメンバーによっても関わり方や見る視点に違いがあったりと、それぞれの講師・受講者の良さがあり、とても良い雰囲気の中で進められた講座となりました。
受講をされた皆さんは各々子育て支援に携わっておられ、今回の講座の受講を決めた背景にもご自身が関わっている子どもや親、家庭・地域に対して大きな思いを抱え、課題解決の一つとして学びを深めたいと受講を決められた方が多かったようです。
参加者のアンケートより
Q1.今回の研修は満足できましたか
- 内容が理解しやすいのと講師が凄い学習を積んでいるため分かりやすかった
- 様々なスキルを学ぶことができ、日常生活で活用できるところもあった
- 子どもの対応に悩んでいたが、理論的な下地ができて、今後の対応の指針ができた
- 具体的なスキルを知ることができた、素敵な講師に教えて頂いた、良い仲間と出会えた
- CSPで対象者に伝えるべき内容を学べただけでなく、CSPの元となった行動療法を学べたり、他のトレーナー希望者のセッションの工夫を知ることが出来た
Q2.今後、どのようにこの養成講座で学んだことを活かしていきたいと思いますか
- 子育て中の仲間や職場内研修で活用したい
- 職場のスタッフや施設の利用者(ママ)に行いたい
- 施設内での研修は勿論のこと、地域支援の一つ(親子間として)再統合の場面で是非活用したい
- 一部をスキルとして保護者にフィードバックすることで支援に繋げられていけそうだ
- 保護者の養育相談に対する支援
- 子どもと直接関わる支援者に伝えたい→虐待防止のため
- 不登校児の親へ
- 虐待をしてしまった方にもCSPを使っていきたいですが、虐待を防止するためにもたくさんの方にCSCを使って話をしていきたい
- 来年度の子育て支援事業の中の活動として計画を立ててみたいと思う
Q3.講座を受けての全体的な感想
- 実際にやってみないと身に付かないと思った
- 日常の中で問題と考えていなかったこともちょっとした考え、対応で変化していき、イライラすることも少なくなることを覚えました
- 実践に役立つ、心強い講座だと感じました
- 今後、トレーナーとしてぜひ多くの人にCSPを知ってもらえるようにしていきたいと思います。今回、多くの職種の人と参加出来て良かったです。ベテランだと思っておられた方でも悩んでおられる方もいて、皆悩むことなのだと安心した部分がありました
- すぐに使える方法・考え方だったので、とても興味深く受講しました