平成28年10月『CAPスペシャリスト養成講座(実践編)』実施報告
実施日時
平成28年10月15日(土)・16日(日)
実施場所
福島市(ラコパふくしま)
参加者
保健師・看護師・PTA役員・教員・子どもへの学習支援を行うNPO職員・幼児教育専攻の学生など8月の基礎編を受講した21名
フォローアップ受講者(既にスペシャリストの認定を受けている)9名
内容
今回の講座は8月に実施した基礎編で学んだ知識を踏まえ、スペシャリストとして活動する上で必要な知識を実践に沿った形で学びました。
1日目 |
午前中に、「児童相談所の機能と役割、その権限~虐待対応における市町村および学校との連携~」という題で、ゲスト講師の児童相談所職員から児童虐待の事例や実情など現場の生の声を聴きました。CAPスペシャリストとして地域とどうつながっていくべきかを考えさせられる内容でした。
午後は、地域でCAPワークショップを実施するにあたり、関わる大人への理解、事前の説明や打ち合わせの大切さを講義形式で学びました。また、トレーナーが体験した数々の事例を聴きながら、多くのワークショップを経験することであらゆる事例に対応できるということや、実施の心構えを学びました。
1日目の最後には、子どもワークショップのロールプレイの一部を練習し、発表をしました。
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2日目 |
トークタイムの発表と、子どもワークショップの発表。
CAPワークショップ実施後に子どもと基本的に1対1で話をする「トークタイム」について、学校への協力方法や場の持ち方、つなげ方などをトレーナーがトークタイムを経験する中で出会った子どもの事例を挙げながら説明をし、その後グループに分かれ、受講者が実際にトークタイムの発表を行いました。この他に、子どもワークショップ中のロールプレイの発表も全員が行い、2日目は受講者が人前で発表する場面が多くありました。
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受講者の感想
- スペシャリストとして活動していくにはまだまだ自信はないが、自分自身が子どもと接する上で忘れてはいけないことを改めて沢山学んだ。今後仕事を続けていく上で役立てていきたい。
- 子どもの学校でもCAPを実施できるようにしたいと思った。
- 気になる子どもがおり、なかなか話してもらえないのだが、無理に引き出そうとせず、自分はどんなことがあっても味方であるということを伝えていきたいと思った。
- CAPを実施するにあたり、「大人への協力」このことがとても重要だということがわかった。
養成講座(基礎編・実践編)を終えて
ふくしま子ども支援センターでは、東日本大震災により被災した子どもの心のケアについて、中長期的な支援体制の構築を目的としてきました。震災後、子どもに対する虐待の増加が社会問題として大きく取り上げられるようになりました。
子どもたちが、虐待をはじめとするあらゆる暴力から自分を守るための人権教育プログラムを、子どもに関わる多くの大人が学び広めていく必要があると感じ、CAPスペシャリスト養成講座を平成25年度から毎年開講しています。子どもを支える地域の大人を増やす為に、これまで福島県内で4回開講しました。
今年度のCAPスペシャリスト養成講座を受講した人の多くは、子どもへの虐待やいじめを学校と地域が協力して対応することが、多くの子どもを守ることにつながると考えています。CAPの有効性を感じ、広めていきたいと意欲的に受講していました。講座中、受講者同士で感想や意見を共有する場面では、自分が今携わっている仕事・活動にCAPをどう活かしていけるか、ということを常に念頭に置いて発言されているのが印象的でした。
受講者の中で、ご自身の子どもの学校でCAPを実施するためにPTA役員として活動しているという方もいて、CAPの認知度や需要が高くなっていることが伺えました。こうした子どもを支える意欲のある支援者を増やす為、今後もCAPスペシャリスト養成講座を実施していく必要があると思います。