Fukushima Child Support Care Center of The Great East Earthquake

平成24年度 実施状況

平成24年度 県内支援者支援について

『福島県に6地域に対して10回程度の研修を実施する』

主催・共催を合わせると、「回数」において達成しており、多くの子育て支援者に対して研修プログラムを提供することができた。またその属性も保健師や保育士、学童クラブスタッフ、NPO職員など多岐にわたり、幅広い層の支援力向上に寄与することができた。
しかし、「地域」においては会津地方と県南地域を中心とした研修の実施に抜けがあったことは反省すべき点である。

改善点

会津・県南地域の実施の抜け

震災関連の心のケアという点では、浜通りや避難者が多い地域に比べてニーズが少なく、優先順位が低かった。子育て支援者のニーズや現状を調査しながら研修を企画していくことが主であったため、コストが足りず、結果的に研修の実施に格差がでてしまった。
そのため、次年度は会津地域(自主避難者)への支援している団体への協力も優先して実行していく。会津地域であがってきているニーズは、「自主避難者への支援をどうしたら良いのか」や「障がいをもっている子どもの親に何ができるのか」など、震災の課題に強く結びつくものとそうでないものへの関心の差は大きい。

総評

「支援者支援」と一言で表しても、地域ごとの被災状況等に影響され、その課題は多岐にわたっている。研修という手段を用いて、支援者に対してより高い成果を出すためには地域ごとの子育て支援状況を把握しておかなければならない。支援者一人一人、もしくは1団体ごとに個別のニーズ調査を行っているため、6つの地域で区分した場合、子育て状況の変化に対応することが難しくなってくる。また、支援者の課題自体が表面されることはほとんどなく、より現場に密接に関われる関係性でない限り、その実態は掴めない。
そこで、現在優先的に行うことは、各地域のステークホルダーの獲得であり、地域に根付いたより信頼性の高い団体との結びつきが重要になってくる。その一方で、震災後に初めて支援に入られた団体も多くあり、彼らを地域に深く結び付けていくネットワークの構築を図らなければ、よりよい支援者支援を行うことはできないだろう。

今後の展望

①次年度の成果目標の見直し
②こころのケアの根幹にかかわる研修内容への対応
③派遣事業等であがってきた課題との連携(運動指導士不足等)

現段階では、支援者に対する直接的な研修を軸に事業を展開している。しかし中長期的な目線で見れば、今後数十年にわたる「復興」の中で、支援者だけが子育て環境の改善やサービスを提供し続けることは難しい。そこで、従来の支援者だけでなく地域住民にまで事業の対象を広げることで、地域の中で子育て支援者を増やすボトムアップの手法も必要になってくる。現に、いくつかの自治体では「地域子育てリーダー養成」といったかたちで、地域住民を巻き込んだ子育て体制を作り始めているところも見られる。来年度以降は、現在繋がっている支援者の方々と協力しながら、地域全体での子育て支援力の向上に努めていく。

県内支援者研修事業今後の展望

 

実績情報